
お話いただいたのは
| 事務所名 | 社会保険労務士法人 RIMONO Work-Life Design |
| 所在地 | 東京都八王子市 |
| 代表 社会保険労務士 | 西重剛史さま |
| 副所長 社会保険労務士 | 池澤早枝子さま |
| 二村秋さま | |
| 植村信一さま | |
| 柴田愛月さま | |
| HRbase PRO導入時期 | 2025年1月 |
導入前の課題
- 法改正が多く、最新情報への更新・確認に手間がかかっていた
- 正確なAIの回答が得られず、調査に時間がかかっていた
- 育成に時間がかかり、精神的な負荷も大きかった
導入の効果
- 調査時間が減り、事務所全体で1日あたり約1時間の時短につながった
- スタッフが自発的に調べる仕組みができ、相談の質が向上した
- スタッフの知識レベルが向上し、上長のチェック業務が激減した
さまざまなバックグラウンドの従業員が集う事務所
ーまずは西重先生から、事務所紹介をお願いいたします。
西重
弊所は設立5年目の社会保険労務士法人です。私自身は27歳で社労士の資格を取得し、社労士の父のもとで15年ほど社労士業務を行ったのちに独立しました。
現在の顧問先は約240社で、顧問先1社につき3人の担当者がつきます。窓口担当者がお客様と情報のやり取りを行い、手続き担当者が実務を担い、コンサル担当者が個別対応を行うという体制です。

西重
私自身は実務より顧客対応やコンサル業務をすることが多いのですが、できるだけ属人化を防ぎ、事務所をハイレベルで標準化したいと考えています。しかしマニュアルや事例集をつくるのにも限界があり、HRbase PROの活用を進めています。
ー本日は、HRbase PROを活用する労務チームの4名の方にもご参加いただきました。
池澤
西重とは前事務所から一緒に働いており、当事務所の設立時に移ってきました。現在は主に新規顧問先のご訪問や、担当顧問先の対応を行っています。
二村
私も前事務所からの移籍です。元々は企業の総務人事を15年ほど経験しており、社労士先生とのかかわりを持つ中で「労務をもっと突き詰めたい」と考え、社労士事務所での勤務を選択しました。現在は労務チームの一員として、顧問先対応や給与計算を担当しています。
植村
私の前職は建設業の現場監督です。現場の労働環境に課題を感じていたところ、社労士という仕事のことを知り、キャリアチェンジをしました。
二村同様、給与計算や労務手続き、就業規則作成などを担当しています。
柴田
今年の3月に大学を卒業し、RIMONOに新卒として入社しました。現在は労務手続きや、窓口の方のサポートなどを担当しています。
ーさまざまなバックグラウンドを持つ方がいらっしゃいますが、労務管理の経験がない方も入社されますか?
西重
弊所は、未経験のみ採用しています。労務管理の知識は学べば身に付きますから、それよりも人柄で顧問先に選ばれたいと考えています。
HRbase PROの資料は、時間を買うのと同じ効果
ーHRbase PROでは、サービス提供当初より、リーガルチェック済みの労務管理資料をご提供し続けています。どのような場面でお役に立っていますか?
西重
複数メンバーが迅速に顧問先対応をするためには、同じ情報を見て、再現性の高い対応をする必要があります。しかし最近は法改正も多く、最新情報に更新する手間や、「最新かどうかを確認する手間」もかかります。
HRbase PROは専門家が資料を自動更新してくれて、さらに多くのユーザーの社労士が利用することで精度がブラッシュアップされると考えると、時間を買ったのと同じではないかと感じています。
池澤
文章を書くときに、HRbase PROの回答事例などの文章をたたき台にして、自分の言葉にまとめあげることで時間短縮をしています。
条文を探して、調べて、文章を書いて・・・という一連の流れが楽になったのはありがたいですね。
二村
私は、労務管理ガイドの入社・退社の手続き資料をカスタマイズして印刷し、ファイルにまとめて新規のお客様にお渡しするようにしています。 よく発生する業務ですし、HRbase PROの資料はとにかくわかりやすいため、顧問先にもとても喜んでいただけます。

AI機能で、チェック工数を削減
ー資料がお役に立っていて安心いたしました。AI機能についてはいかがですか?
二村
ChatGPTなどのAIも活用しますが、正確な回答はなかなか出てきません。しかしHRbase PROは精査済みのデータから正確性の高い情報だけを提供してくれるので、調査時間は確実に減っています。
柴田
私はChatworkとHRbase PROのAIを連携させており、Chatwork内でAIに質問することが多いですね。すぐに理解できない回答も、そのままChatwork内で質問を重ねられますし、お客様への回答文章の参考にもなるので、とても便利です。

植村
労務知識の少ないメンバーでも、Chatwork内でAIとやり取りをして一次回答を得られるというのは、大きな進歩だと思います。これまで30分~60分の調査が必要だった内容が10秒で解決できると思うと、1日に1時間程度は時短ができているのではないでしょうか。
西重
15名のスタッフで毎日30分の時短ができていれば、事務所全体で1日7時間半の削減。稼働日が20日程度あると考えると、大きな差になりますね。
ー具体的な結果につなげていただき、ありがとうございます。
植村
そういえばあるメンバーが、HRbase PROの「特化型アシスタントAI」でExcelの関数を作成していました。月額変更の重複チェック用の関数がすぐに出力され、時短になったと喜んでいましたね。
実は私はこれまで、社内では「関数がわかる人」という立場だったのですが、最近めっきりと聞かれる機会が減ったのはHRbase PROのせいですね(笑)
工数は減りましたが、頼りにされなくなった気がして寂しさも感じています。これもAI時代ならではの感覚でしょうね。

HRbase PROで育成の課題を解決
ー事務所のほとんどの方が、HRbase PROにログインしているとお聞きしました。
池澤
弊所では、労務管理が未経験のスタッフにもHRbase PROのアカウントを付与しています。HRbase PROの活用が進んでからは、自発的に調べてから聞きに来てくださる方が増え、相談の質が変わってきたことを実感しています。
西重
経営者目線の話になりますが、組織化の過程では育成に時間がかかります。知識だけ習得してもいざ実務で使うときに役に立たないこともありますし、横断的に考えないといけないため、労務管理は育成フローの体系化が難しい領域です。
ー育成をしたいけど、なかなかできないというのが所長のストレスになっていたのですね。
西重
そうですね。しかしHRbase PROの活用が進んでからは「HRbase PROがあれば人が育成できる」という安心感が生まれました。物理的な手間よりも、精神的な負荷が減ったと感じています。
やる気のある方は、HRbase PROを活用してどんどん成長しています。
労務管理を極めたかったら、こんなに面白いツールはないと思いますよ。
ースタッフの成長ついて、具体的にお聞きできますか?
二村
以前は、私がパートナースタッフの方からの質問に対応するため、私自身が年金事務所に電話したり、所内の先輩に確認してからスタッフに指示をする・・・という橋渡しの業務が多くありました。しかしそれが激減したと実感しており、それこそがスタッフのレベルが向上したことの証明にもなっていると思います。
今ではスタッフがHRbase PROで勝手に調べてくれますから、私は判断する役目に集中できるようになり、業務が大きく変化したと感じています。
植村
確かに、パートナースタッフの方からのゼロベースの質問が減り、仮の回答ができた状態で確認を求められることが増えてきました。仮の回答でストーリーが見えていると問題も発見しやすいですし、工数だけではなく回答の質の向上もできていると思います。
ー仮の回答を作成するときの活用方法も気になります。
植村
お客様から質問された内容をそのままHRbase PROに貼り付けて、AIからの一次情報を収集していると思いますよ!
自分ではわからない質問もそのままAIに聞くことで、大きくズレてはいない情報にアクセスできるため、結果につながっていると感じています。
池澤
そうですね。使い方はそれぞれにお任せしており、ルールなども決めていないので、皆さんが自由に自分なりの活用方法を見つけているのではないでしょうか。
二村
そもそもHRbase PROのインターフェースはとてもわかりやすいですよね。労務知識がなくても直感的にAIに質問ができるので、導入で困ったことはありません。
私はHRbase PROのカスタマーサクセスの方との連絡役を担当しているのですが、
機能説明会には弊所のメンバーにも同席してもらい、誰でもすぐに活用できるようにしています。
通常のサービスでは新機能もお知らせもメール通知だけ、ということもありますが、HRbase PROは必ず直接連絡をいただけます。説明を聞き、理解をしてチームに下ろすという流れができあがっており、活用が浸透しているのもそのおかげだと感じています。

ロールプレイングでスキルの底上げ
ーAIを充分に活用いただいておりますが、AIをうまく使いこなすには労務知識も不可欠かと思います。事務所の労務知識向上のために、工夫されていることを教えてください。
植村
AIを使いこなすには知識が必要、というのはまさに弊所でも同じことを考えており、最近ですがロールプレイングを始めました。
池澤
未経験であっても常にお客様の前に立つ意識で学んでいただくため、ロールプレイングは入社直後の方にも参加いただきます。パートの方からは「こんなに勉強したのは久しぶり」という悲鳴が多いのも事実ですが、2か月目で実務に入られたときは皆さん喜ばれますね。
早い段階でこれだけの知識が必要な事務所であることを知った上で、キャリアアップにもつなげていただければと考えています。
柴田
私もまったく用語がわからない状態で入社しましたが、手続きの経験を重ねていくうちに、少しずつうまくなってきた気がしています。
ー事務所全体でのスキルアップへの取り組みは、顧問先にとっても安心できることではないでしょうか。
西重
目の前に顧問先の経営者や担当者がいて、すぐに教えてほしいと言ってくださっているときに、いかに的確に答えられるか。これを重視しています。
もちろんツールも活用すべきですが、「システムがこう言ったから」では回答になりませんし、人間はまだまだツールを使う側に常に居続けないといけませんよね。
全員が勉強し、訓練し、柔らかい雰囲気でありながらも実務はゴリゴリに強いという事務所であること、それが私たちの生存戦略です。
AI時代だからこそ、知識を武器にする
ー最後に、事務所の今後についてお聞かせください。
植村
私たちは常々「人で勝っていきたい」と考えています。目の前にいるお困りの方に対してギブの心を持っているかどうか、また「お力になりたい」という気持ちが、言葉遣いや姿勢にもあらわせているかを重視し、温かさで選ばれる事務所を目指しています。
二村
そして、これだけAIが浸透してくると、逆に自分の知識が武器になります。お客様は、AIの回答をそのまま聞きたいわけではありませんから。
RIMONOでは「学びはエンターテイメント」と掲げ、事務所全員での知識レベル向上に取り組んでいます。そのような環境を楽しめるメンバーが揃っていますし、それを強みにしていきたいですね。
西重
私は、労務は全国共通の言語だと捉えています。それを、「よりわかりやすく伝えるにはどうするか」を磨いて競争する時代に突入するでしょう。
定例業務もどんどんなくなるでしょうし、「この作業を本当に人間がやるべきか」という問いに向き合い続ける必要も出てきました。だからお客様のためにも業務改善を繰り返し、事務所をブラッシュアップさせなくてはいけません。
経営者としての私の役目は、仕組み化と教育を行い、お客様にプラスオンしていくことです。HRbase PROはその実現のための柱になりますし、そのような仕組みをつくる機会を与えてくれたHRbase PROには感謝しています。今後も活用させてもらいますので、便利な機能の開発をお待ちしています。
