
お話いただいたのは
事務所名 | 社会保険労務士仲村龍治事務所 |
所在地 | 福岡県北九州市 |
代表 社会保険労務士 | 仲村 龍治さま |
HRbase PRO導入時期 | 2024年8月 |
医療業界からコンサル系社労士への転身
ー事務所について教えてください。
仲村
社会保険労務士になって10年目、北九州市で開業をしています。
前職は放射線技師で、スタッフにも看護師が2名いるという少し変わった事務所です。妻にも事業を手伝ってもらっているのですが、妻も看護師です。
医療業界の課題も多く見てきたため、労務の支援はもとより、障害年金にも力を入れていきたいと考えています。

仲村
放射線技師として病院に勤務していたときは、医師をはじめとし、看護師や私たちを含む専門職の全員が総合チームとして業務を進めることが求められていました。しかし大きな組織では働き方や人間関係自体の課題が多く、私自身コミュニケーションは得意な方ではありましたが、違和感を覚えることもありました。
医療技術者は、技術を突き詰めることには長けていますが、経営やキャリアに関する勉強はしてきていません。私自身、部下育成の方法も、経営知識もありません。模索を繰り返し、独学で簿記2級やファイナンシャルプランナーの試験を受けたりしていました。 医療技術者は、技術を突き詰めることには長けていますが、経営やキャリアに関する勉強はしてきていません。私自身、部下育成の方法も、経営知識もありません。模索を繰り返し、独学で簿記2級やファイナンシャルプランナーの試験を受けたりしていました。
ー放射線技師の仕事をしながらの資格取得、素晴らしいですね。
仲村
しかしいくら簿記の資格を取っても、病院では決算書を見る仕事には就けません。1級を取得して税理士になる道も考えましたが、独立まで4〜5年かかることを思い躊躇していたとき、社労士という資格に巡り会いました。
社労士資格の取得後、総合病院から民間病院に転職しましたが、規模が変わっても医療業界の課題自体は同じです。「それなら社労士として、外側から関与する方が働く人を幸せにできるのではないか」と考え、開業して今に至ります。
ーどのようなサービスを提供されていますか?
仲村
給与計算や手続きよりも、コンサルや組織づくり、研修などの方が自分に向いているため、社員面談なども含めた組織改善全般を提供しています。そのためキャリアコンサルタントの資格も取得しました。
現在の顧問先数は約50社で、遠方はオンライン対応ですが、ご訪問もしています。1~2か月に1回はコミュニケーションを取らせていただいていますね。
導入前の課題は「所長がコンサルに時間を使えないこと」
ーHRbase PRO導入前はどのような課題をお持ちでしたか?
仲村
コンサルに注力したくても、自分の時間が取りにくかったことですね。手続き関係の業務はスタッフにお願いしているのですが、進め方がわからないときは当然私に質問が来ます。とはいえ私も手続き業務の経験が豊富なわけではありません。
しかし調べものや確認業務をなかなか手放せず、どうしようかと考えていました。
ー所長としての業務に時間が割けていなかったのですね
仲村
そうですね。
電話やLINEでやってくる質問や問合せにも私が答えることも多かったです。
ーそれはまさに、HRbase PROがお役に立ちそうな課題です。
仲村
それが実は・・・
HRbase PROを知ったときは「いらないだろう」と思っていたんですよ(笑)
しかし信頼している同業の先生が導入していると聞いて興味を持ちました。とても堅実なタイプの先生で、その方が利用しているなら何か理由があるはずだ・・・と感じ、トライアルで使ってみるとなかなかに面白いツールでした。スタッフにも試してもらったのですが「結構いいね」という声があったため、導入を決めました。
プロンプト要らずのAI機能で時短とクオリティアップを実現
ー導入後、仲村先生の業務効率に変化はありましたか?
仲村
労務管理に関することはスタッフに任せられるようになってきました。
それから、「特化型アシスタントAI」が時短やクオリティアップに有効だと感じています。
ー特化型アシスタントAIは、労務管理以外の業務にも対応している特定の目的に特化したAI機能です。たとえば最近ではどのような機能をお使いになりましたか?
仲村
「二以上事業所勤務者の社会保険料試算」を使いました。先日、二以上事業所勤務者についての質問があったのですが、この試算機能を使うことでスムーズに対応できました。
特化型アシスタントAIでは、労務管理以外の機能も使っていますよ。 「文章の誤字脱字確認支援」に自分のメルマガの誤字脱字を見つけてもらったり、「思考整理(壁打ち)支援」で自分の頭の整理を行ったりと、さまざまな業務に活用しています。
ーAI機能が先生の業務をしっかりアシストできており、安心いたしました。
仲村
生成AIは基本的にはプロンプトを入れないといけませんよね。その点HRbase PROは細かいプロンプトを組む必要がないので助かっています。
カスタマーサクセスの方にも「質問を入れるだけで、社労士が作成したレベルの回答が返ってきます」と教わったのですが、本当にその通りでした。
HRbase PROの資料は、発信のネタ元
ーAI以外で活用が進んでいる機能を教えてください。
仲村
隔週金曜日に事務所通信を送っているのですが、そのときに労務マガジンを活用しています。事務所通信以外にもメルマガを配信しているため、頻度が増えすぎかな・・・とも思いましたが、顧問先からのネガティブな反応はありません。このように定期的に情報発信をしておくことは大切だと感じています。
発信は、新既顧問先の開拓にも役立つと考えています。カスタマーサクセスの方からも「雇用契約書のマニュアルなどを送ることで、まだ顧問社労士がいない企業のニーズを掘り起こせるかもしれない」と教えていただきました。今後チャレンジしてみたいですね。
ー税理士の先生など、リレーションを生めそうな士業の方に労務マガジンを送っている事例もあります。
仲村
HRbase PROを導入した2024年8月以降、情報提供と、それを作成するためのプロセスが楽になったと感じています。先日、スタッフにセミナーを開催してもらったのですが、その際もHRbase PROの資料を元にしてAIでスライド作成を行いました。
ーすごいですね!
仲村
そのときのテーマが退職勧奨だったのですが、HRbase PROには労務相談の回答事例やマニュアル資料も揃っていますからネタには事欠きません。
特に労務マガジンはボリュームもありますから、1本のマガジンから30分程度のセミナー資料はすぐにつくれますよね。もしくは15分の動画をどんどん撮って発信をするのも、面白そうです。
ー顧問先に限らず、労務にお困りの企業さまとのコミュニケーションが生まれるといいですね。
仲村
はい。「顧問社労士」を遠い存在にはしたくないと考えています。リーダー研修や面談などで社員さんとも親密に接することができる、信頼される存在でありたいですね。
そのためには私だけの力では不十分です。コンサルティングの現場にはスタッフに同行してもらい、議事録作成などを手伝ってもらっています。
これは私の手間を省く目的だけではありません。スタッフの目線で顧問先企業を知ることができれば、手続き業務の精度も上がり、気付きも変化します。見えていない方に寄り添うのは大変ですから、スタッフにも現場感を持ってもらいたいなと考えています。
HRbase PROで顧客カルテを
ーHRbaseは、企業向けサービスも開始しました。社労士先生と企業さまのリレーションに関して、仲村先生のご意見があればお聞きできますか?
仲村
社労士サイドとしては、HRbaseの企業ユーザーの方が「何を検索しているか」が見えるといいのではないかと感じました。経営や組織についてのお悩みがわかれば、専門家として一緒に解決策を考えられます。
ーなるほど!一歩踏み込んだご提案ができそうですね。
仲村
いいコンサルを提供するためには、どれだけ相手のことを理解し、具体的なお話ができるかが重要です。
そういう意味でも、HRbase PROの自社資料の登録は積極的に行っていこうと思い、いろいろ試しているところです。
たとえば行政機関に問い合わせをしたとき、担当者の方の名前や、問い合わせ内容と着手後の経緯を入れておけば、次に誰かが同じようなことを調べたときに役に立ちます。それから、時間を使って検索をした結果もまとめておきたいと考えています。
ー問い合わせ履歴のストックはおすすめです。
仲村
顧問先情報と、「このときに何をした」という対応の履歴のストックは必要ですよね。Notionを使うことも考えたのですが、どのみち検索をするならHRbase PROに一本化する方が手間が一気に省けます。
ーまさに「カルテ」という感じでしょうか。医療業界出身の先生だからこその情報管理スタイルですね!

仲村
社労士として人事にかかわっていると、多岐にわたるサポートが必要になります。たとえば、日頃はオンライン対応をしているある企業さまでは、毎年経営層の方との合宿に参加させていただいています。
1泊2日で会社経営に関することを話し合うのですが、やはり未来について話すと前向きになれます。また自然の中で行うため、疲れてきたら景色を眺めることもできます。
会社だと急に話しかけられたり、いつもと同じペースになってしまうため、現実に引き戻されない環境で実施した方がいいですよね。
そういうところまで考えて、会社がよりよい状態をつくるための支援をするのが社労士ではないでしょうか。
自走できるチームを目指して
ー事務所の今後の展望を教えてください。
仲村
私は歴史、特に幕末が好きなのですが、幕末時代のように熱気のある、エネルギー溢れる人がもっと出てくるといいですよね。
社会をよくしたり、挑戦することを楽しめる人に増えてほしいという思いから、私自身も事務所のビジョンを掲げています。
【ビジョン】
フルスロットルで活気あふれた日本にする
【カルチャービジョン】
なりたい大人が身近にいる世界を創る
【ミッション】
夢が目標にかわる瞬間とその実現の伴走ランナーとなる
【バリュー】
① ツライはドラマの始まり!
ツライことこそ感謝感動へのスタートです。逃げずに勇気を持ちどんなことからも目をそらさず、正面から向き合っていきます。
② 逆転発想!
簡単・単調なことは安易に進めるのではなく、ほんの数秒でも異なる角度で「本当に大丈夫か?」を考え行動していきます。
③ 可能性∞!
自分に限界を感じると成長はストップしてしまいます。私たちは自分自身を信じて可能性の扉を開いていくことを実践していきます。
④ ワクワクを大切に!
子供のころ修学旅行前にワクワクして早く目を覚ました感覚を思い出してください。ワクワクすると行動の加速力は比例し成果に直結していきます。
⑤ 自分らしさを大切に!
自分軸をしっかりと持っていると相手への尊重や価値を理解しあえることに繋がります。お互いの個性をしっかりと認めあえる環境は、居心地がよく生きがいあふれる場所となります。
⑥ あいさつ+1!
お互いの心を癒す笑顔でのあいさつに、さらに一言を添えることでポジティブな気持ちへの原動力に繋げていきます。
⑦ 自分自身に喝さいを!
昨日の自分から0.1%成長を目指し、変化を楽しんでいきます。小さな1歩を踏み出したことへの喝采を忘れません。
⑧ フルスロットルで生きる!
全力で挑んでいる姿を見ると、勇気と情熱を感じることができます。その熱量は周囲へ大きな良い影響を与え、挑戦する原動力へつながります。
仲村
これから社会をつくる子どもたちには、稼ぎや肩書きだけではなく、大人って、世界って楽しいなと感じてもらう必要があります。人口が減っても強い日本であるため、人事労務の支援を通じて「夢が目標に変わる」瞬間と、その実現のための伴走ランナーになることを目指しています。
ー仲村先生のビジョン実現のため、HRbase PROがお手伝いできることはありますか?
仲村
HRbase PROには今後も壁打ち相手として、アイデア出しに付き合ってほしいですね。
ー先生にその時間を存分に取っていただくためにも、スタッフの皆さまには基本業務で存分にHRbase PROを活用いただければと思います。
仲村
そうですね。目指すのは「私がいなくても顧問先満足度を上げ、自走できるチーム」です。その実現のためにも、事務所の全員でHRbase PROを使っていきたいと思っています。
