
お話いただいたのは
事務所名 | 福岡社会保険労務士法人 |
所在地 | 福岡市 |
代表社員・所長 社会保険労務士 | 村里男樹さま |
社員 | Sさま / Mさま |
HRbase PRO導入時期 | 2022年4月 |
クラウド導入支援で、さらなる事業拡大を
ー福岡社会保険労務士法人について教えてください。
村里
祖父が1968年に創業し、父が二代目を務め、私が三代目として2023年に代表になりました。現在の社員は約25名、顧問先は400社ほどです。
1件の顧問先に対して、助成金・労務・手続きの3人チームで担当するスタイルです。それぞれの得意分野を活かして、より専門的なサポートができるようにしています。
特長としては、手続きや労務相談だけではなく助成金とクラウド導入支援に力を入れていることですね。2020年にはHRテックの導入支援に特化した「株式会社Labor aid(レイバーエイド)」というグループ会社を立ち上げました。顧問先のニーズに合わせて、最適なサービスを提案しています。

村里
私は野球少年でプロ野球選手を目指してたのですが、結果的に家業を継ぐ形になり2016年に社労士の資格を取得しました。当時はまだ小さな社労士事務所でしたが、助成金事業部を立ち上げたことで事務所規模が大きくなり、2018年に法人化。私もその時に役員になりました。
父もまだ50代半ばで、現役です。現在は父が社労士として教育などを担当し、私は経営の方を担っています。
最近では育成プロジェクトへの取り組みを始めるなど、数年後の事務所のあり方を考えながら経営企画を立てています。
ー本日は、人材管理支援部として育成プロジェクトにかかわっている2名にもご参加いただきました。
S
私は法人化のタイミングで入社しました。ちょうど事務所の拡大期で、助成金事業も盛り上がってきた時期でした。現在は社会保険や雇用保険の手続きを担当しながら、人材管理支援部の業務も行っています。
M
私も人材管理支援部の業務を進めながら、外部総務支援という企業さまの実務の委託先としてのサービスを手伝っています。
もともとは2020年の株式会社Labor aid立ち上げ時に入社し、クラウド導入支援事業のサポートを担当していました。
ークラウド導入支援はニーズが大きそうですね。
M
私もはじめは知識も少なく、調べながらの対応もありましたが、クラウドの活用はなくてはならない時代です。人件費も上がってますから、企業さまの効率化のニーズは大きいと思います。
村里
今年、社労士法人のホームページを改修してクラウドに強いということを訴求し始めたことで、お問い合わせが明らかに増えました。新規導入だけではなく、導入したけれど効率化しきれていないという企業さまからのご相談が多いですね。
現場での活用が進むHRbase PRO
ーHRbase PROはAI機能が出る前から活用いただいておりますが、AIの機能が追加されたことで変わったことはありますか?
村里
エビデンスを探したいときや回答が正しいか不安なとき、HRbase PROのAIにとりあえず聞くことが多くなり、利用頻度はかなり増えました。
AIはもともとChatGPTも使っていましたし、現在もGoogleのNotebookLMと使い分けをしています。同じ質問を両方に聞くこともありますが、HRbase PROは根拠資料の場所も提示してくれるので信頼できますね。
ー職員の皆さんは、HRbase PROをどのように活用されていますか?
S
私は顧問先からの質問をAIに直接貼り付けたり、キーワードを入れて回答文章を作成し、言い回しなどの参考にしています。
M
AIは、わからないことに対してキーワードを入れるだけで回答が出てくるので、調べる時間が格段に減っていますね。
文章だけではなく、図解やPDF資料などもあわせて出てくるため、私の理解度も上がりますし、顧問先にも説明しやすいです。
ーやはりAI機能が中心でしょうか。
S
とはいえ私は、AI機能が出る前からHRbase PROを使っているため、まずは資料一覧や労務管理ガイドを見るというクセも付いています。資料がどんどん追加されるので、知らなかった情報にも触れられますし。
私は手続き担当なのですが、お客さまから労務相談を受けることもあります。簡単な内容であればすぐにお返事したいという思いもあり、HRbase PROの情報にはできるだけ目を通しています。
ーたとえば、どのようなご相談がありましたか?
S
最近、確定拠出年金を導入される顧問先が続いたのですが、私も知識が豊富なわけではないためいろいろ調べていました。ネット検索もしていたのですが、その知識が正しいのかどうかはわからず、やはりHRbase PROに頼ることになりました。
ひとつのキーワードに対して、根拠資料や動画などの関連資料が紐付いており、確実な情報が凝縮されて出てくるため助かっています。
村里
現場のリーダーに「使ってる?」と聞いたことがあるのですが、私が思う以上に活用が進んでいました。
たとえば弊社では、毎日交代制でHRbase PROの新着資料や事例から関心を持ったコンテンツを選び、社内チャットで共有するという取り組みを数年間継続しています。
誰かが疑問に思うことは、他の人も疑問に思っていますし、自分で調べはしないけど見ると勉強になるということも多いですよね。
M
確か2023年の秋頃から、毎日誰か1人が情報共有をするようになり、相当量のノウハウが溜まってきました。
ーHRbase PROの情報を全体共有してくださっているのですね!
村里
私たちはこれから、教育に力を入れていく予定です。今日参加している2名が人材管理支援部としてプロジェクトを推進しており、スキルマップで誰がどこまで学べているかなどを可視化し、本人任せではなく事務所主導での知識レベル向上を目指していきます。

育成プロジェクトで、全体的な知識レベルの向上を目指す
ー育成の課題について、もう少し教えていただけますか?
村里
事務所規模が大きくなってくると、全体的な知識レベルの向上が必須です。
しかし、手続きの知識だけではなく、コミュニケーションスキルの方が大切ではないかと考えています。
顧問先が言語化できていない課題を専門家の目線で読み解き、いかに素早く情報を把握するかという点では、センスも必要です。そのセンスを持っている方は日頃から顧問先といい関係を築いていけますし、クレームも出にくいですよね。
しかし接遇のようなスキルは属人的で、育成しにくい部分でもあります。個性を活かしながらいかに総合的なスキルを上げていくかが、大きな課題です。
ー村里先生が代表となりAIが台頭したこの時期に、育成プロジェクトを進めていることは、とても意義があると感じられます。
村里
これまでも手続き知識などの研修や、動画研修を提供してきました。しかし動画などはどうしても見て終わりになってしまい、振り返りや改善が追いついていないというのも事実です。
法人が大きくなれば顧問先の規模も大きくなり、相談内容の難易度も上がります。求められるレベルにどう到達するかを、個人に任せるのではなく、経営サイドが責任を持って育成しないといけませんよね。
今後は社内資格を制定して学習状況を紐付け、再現性のあるカリキュラムをつくっていきたいと考えています。
ーこれは人材管理支援部のおふたりも大変ですね!
S
現在はまだ準備段階ですが、すでに課題は多く見えてきています。
全員のモチベーションにつながるような仕組みをつくりたいですね。
M
育成とひとくちに言っても、やるべきことは本当に多くあります。スキルマップ上で足りない部分を補うのはもちろんのこと、その人がキャリアについてどう考えているかも大切です。
村里
まずはテスト方式でスキルを測るところから、順次進めていきます。
中にはロープレをしなければ見えないスキルもあるため、その人を活かしたアウトプット方法を探していきたいですね。中長期的な計画になりますが、将来のためには今取り組むことに意義があると感じています。
ーHRbase PROは、その仕組みの中でどうお役に立ちそうですか?
S
教育用のマニュアルを作成し、誰もが見ることのできる場所をつくりたいと考えていましたが、それをHRbase PROでやってみるのもいいかもしれません。
M
こちらから知識やマニュアルを提供した後、各自が自分の中に落とし込み、必要に応じて引き出すという流れ自体をつくらなくてはいけないですよね。
法改正なども多く、知識のバージョンアップをすることを考えると、常に最新情報に更新されているHRbase PROをもっと活かし切ることも必要だと感じています。
プロフェッショナル集団を目指して
ー事務所も変革期ですね。
村里
そうですね。これまではわからないことは先輩や近くの人に聞くという方法しかありませんでした。しかしAIがあることで、まずは自分で調べるという文化を根付かせていきたいです。
毎日のHRbase PRO情報のシェアの仕掛けなども含め、ノウハウを溜めるという習慣はかなりできているのですが、ノウハウをうまく取り出すというスキルはまだまだ人によってレベルにばらつきがあります。 そのときHRbase PROは、他のAIよりも労務管理に一番近い、正しい情報を引き出せる場所として機能すると思っています。
ー最後に福岡社会保険労務士法人としてのビジョンをお聞きできますか?
村里
私たちはプロフェッショナル集団を目指しています。そのため、ツールの活用も含め「福岡の社労士法人といえば」私たちを思い出していただけるよう、頑張っていきたいと考えています。
AIなどのテクノロジーは今後もどんどん進化すると思いますが、共存していく必要性を感じています。そのため、まずはHRbase PROをはじめとするAIを全員が当たり前に使えることを目指し、DXという観点でも顧客に価値提供できる社労士法人を3~5年程度でつくりきってしまいたいですね。
採用に関しても、今後はスキルや労働条件だけで判断するのではなく、ビジョンに共感し合える方をチームに加えたいと人材管理支援部の2人とも話していたところです。
知識やコミュニケーションスキルの向上を目指し、HRbase PROを充分に活用できればと思います。
