
お話いただいたのは
事務所名 | 社会保険労務士法人COMMITMENT |
所在地 | 福岡県福岡市 |
代表社員 特定社会保険労務士 | 北原 正さま |
特定社会保険労務士 | 北原 強さま |
特定社会保険労務士 | 和田 知大さま |
社会保険労務士 | 松本 有紀さま |
HRbase PRO導入時期 | 2025年2月 |
開業から約50年。事務所の「今」
ーまずは北原先生から、事務所紹介をお願いいたします。
北原(正)
社会保険労務士法人COMMITMENTは、昭和52年に父親が開業した事務所です。開業当初は建設業や製造業などの支援を得意としており、2003年に社会保険労務士が法人化できるようになっていち早く社会保険事業に参入して徐々に規模を拡大してきました。父は会長としてさまざまな労働行政に携わっており、福岡県内でも事業規模としては大きな方に入ると思います。
私は21歳で社労士資格を取得し、父の元でさまざまな実務経験を積んできましたが、現在は実務からは離れて所長として経営全般を担っています。

北原(正)
COMMITMENTでは、社会保険労務士法人と事務組合、そして保育園事業も行っています。保育園は、子育て中の方がパート勤務してくださる方が多く、働きやすい環境をととのえたいという思いから運営を始めました。
社会保険労務士法人の組織形態としてはコンサルティング部門と、実務を行う手続部門・給与部門に分かれています。
ー本日は、HRbase PROを活用するコンサルティング部門の3名の方にもご参加いただきました。
北原(強)
正の兄です。社労士の登録をするまでは別の会社に勤務し、経理などを経験してきました。約16年前に弊所に入り、現在はコンサルティングや手続きなど、顧客対応全般を行っています。もともと労働関係を得意としており、建設業の顧問先対応が多いですね。
和田
前職は百貨店勤務で、入社して7年目になります。社労士の勉強をしながら転職活動をする過程で弊所と出会い、人事労務の業務は未経験で入社しました。現在はコンサルティングや事務組合のサポート、また代表とともに事務所内でいかに人を育成していくかについて考えながら施策を行ったりしています。
松本
前職は一般企業で事務をしており、入社3年目になります。入社後は約2年、手続き業務の経験を積ませていただき、現在はコンサルティング部門に移って顧問業務を担当しています。
HRbase PRO導入時の印象
ーすでにノウハウも多くお持ちのCOMMITMENTさまで、HRbase PROの導入を決められた理由を教えてください。
和田
生成AIがトレンドになり、情報収集のためにさまざまなセミナーに参加していたのですが、一般的な生成AIよりは労務管理に特化したAIの方が業務に直結するのではないかと考え、HRbase PROに興味を持ち始めました。
弊所は代表の意向もあり、新しいツールの導入には柔軟です。最近ではAIコンサルタントの方と業務グループのメンバーとの定例会議を実施するなど、AIによる業務効率化にも積極的に取り組んでいます。そのため、HRbase PROの導入と活用もスムーズに進みました。
北原(強)
私は工学部の出身で、プログラミングや人工知能については多少の知識を持っています。そのためAIについても使用イメージは湧いていましたが、そもそもAIは士業には向かないと考えていました。
しかしHRbase PROがどのようにデータベースを活用しているかや、更新頻度などの説明を聞くことで「AIの進化」を実感しましたし、活用してみようかという気持ちになりましたね。

北原(正)
業務効率ももちろんですが、私の立場からすると、育成の効率化に役立つことを期待して導入しました。HRbase PROに限らず他のツールでもそうですが、困ったことや知りたいことがあれば、誰かに聞くよりも早く正しく解決できるのがITツールのいいところです。
ノウハウの分散という課題
ー実際にHRbase PROを活用されて、いかがですか?
和田
もともと、従業員が検索すれば共通した情報にアクセスでき、お客様への回答レベルも均一化できるような、社会保険労務士法人COMMITMENTとしての「ノウハウの入れ物」のような場所をつくりたいという課題を持っていました。
弊所は人数も多いですし、新しく入所した方がすぐに過去の知識やノウハウにたどりつける仕組みづくりは重要です。また、お仕着せの回答ではなく、きちんと「COMMITMENTの色」がついた回答もお出しする必要もあります。
そこで、エビデンスの明確な情報だけが掲載されており、事務所の中で資料を共有できるというHRbase PROの考え方に触れ、これはいいなと感じました。
ーHRbase PRO導入前は、知識習得やノウハウ蓄積についてどのような課題を抱えていらっしゃいましたか?
和田
これまでは、根拠のある情報を探すため、書籍やネット検索を活用してインプットをしていました。しかしそれでは、個人個人の思いつきやひらめきに頼ることになります。検索時に思い至らなかったキーワードがあれば、お客様にとって不十分で不利益な回答になってしまう可能性もありますよね。HRbase PROを使ってみて、改めてそのリスクに気付きました。
北原(強)
情報の蓄積としては、昔の情報は紙ファイルで保管されており、最近の分は顧問先ごとのフォルダにまとめられていますが、それしかありませんでしたね。
北原(正)
弊所に限らないと思いますが、その時代時代で「年金事務所や監督署の対応履歴はこのエクセルに打ち込む」などの取り組みを行い、データ化するというのが通常のフローでした。しかしその方法が有効だったのは少人数のときだけで、規模が大きくなると限界が来ます。
しかし今はHRbase PROでの情報メンテナンスが進んでおり、従業員も使いやすくなってきたのではないでしょうか。

AIに質問をそのまま貼り付け、工数削減
ー労務アシスタントAIをどのように活用されているか、具体例をお聞かせください。
北原(強)
メールで来た問い合わせ文章を、そのままHRbase PROの労務アシスタントAIに貼り付け、AIに関連情報を集めてもらっています。
AIから出てきた回答は、パッと見て改善したい部分を把握し、自分の手でカスタマイズしています。HRbase PROから根拠情報も多く出てきますが、必ず自分の目で確かめています。
松本
私も、AIに質問内容を直接貼り付けることが多いです。自分では気付けなかった部分もAIがカバーしてくれるため、経験が浅い私としてはとても助かっています。顧問先から「育児の手続きについて知りたい」など具体的な質問が来たときは、ちょうどよいテーマの労務マガジンなどを送付することもありますね。

ー顧問先からの質問をそのままAIに貼り付けていただいているのですね。
和田
そうですね。HRbase PROは毎回プロンプトを考える必要がないため、工数削減になっています。お客様にお渡しする情報は、AIの回答を元にして自分の手でまとめることが多いのですが、労務アシスタントAIを使うと自分で考えるための「引っ掛かり」ができますよね。それが結果的に仕事のスピードを上げてくれていると感じています。
全従業員で、正しい回答ができるように
ーHRbase PROを使った情報インプットの、具体事例を教えてください。
和田
資料や労務マガジンなどの機能も知識向上に役立ちますが、向井蘭弁護士などの著名な先生の解説動画もためになります。また月に1回の顧問先向けニュースの情報源としてもHRbase PROを活用しています。
松本
HRbase PROにログインすると「新着資料」のお知らせが更新されていますよね。実際の問い合わせ内容に関係のない内容でも、読んだ方がよい資料には目を通すようにしています。
北原(強)
AIは便利ですが、特性もありますし、回答の正確性を担保するのは社労士です。そのような意味では、AIを使いながらも私たちも成長し続ける必要があると考えています。
ー事務所の知識レベルの底上げにもお役に立っているようで何よりです。
和田
全従業員が、お問い合わせに対して法律に則した適切な回答ができるようにならないといけません。事務所全体でその状態を目指そうと思うとき、HRbase PROは欠かせないツールになるはずです。
とはいえ、頼り過ぎてしまうと「COMMITMENTとしての色」が出せなくなりますから、どのようにバランスを取っていくべきかを考えている最中です。
せっかくのよいツールですので、宝の持ち腐れにならないように活用していきますね。
AI時代だからこそ、社労士の価値が上がる存在を目指す
ーAI時代の社労士法人としての展望をお聞かせください。
北原(正)
労務管理領域でも、AIは当たり前に使われるようになってきました。全体の流れでいえば、恐らく「顧客ごとの情報を元に回答が出てくる」というようになると考えています。
それができれば私たちの業務も効率化されますし、AIという機能自体がもっと社労士業務の根幹にかかわるようになっていくでしょう。そのときCOMMITMENTはその流れにしっかり乗っている事務所でありたいですね。
和田
経営者の方々が知りたいことは、法律問題に限りません。さまざまな「人の課題」のご相談を受けていると、労務コンサルティングは狭い範囲で終わってはいけないということを痛感します。そこに役立つAI技術を期待しています。
北原(正)
COMMITMENTは労務管理を通じて社会にどう貢献できるかを考え続けている事務所です。労務管理のプロフェッショナルとして、社労士の存在がより際立ち、認められる仕事にしていくことを目指しています。
HRbase PROは私たちのような志向の事務所にとって、欠かせないツールになるのではないでしょうか。
